「ペラルアー」って実際どんなルアーなの?



タイのルアー釣りにおいて「ペラルアー」といえば、それは左写真にあるようなバズペラ前付けのTWプラグをいいます。
細長いミノーシェイプにトリプルフック2基装備のタイプもありますが、もっともスタンダードで使用頻度が高いのは、短め扁平ボディにダブルフック1基装備のフロッグタイプです。これらのペラルアーはタイで釣具屋さんに入れば、ほぼ100%、どんな辺鄙な町の店でも必ず置いているほどに普及しています。
タイのルアーメーカ−、ほぼ全てで生産され、また全国にある無数の釣具屋それぞれにオリジナルペラルアーが存在したりするためブランド自体は無限にあるのですが、そこはコピー天国タイランド、ルアーの基本性能的にはどのメーカーのものでもまったく同じです。ただしバランスが悪くボディーが傾く、またはクルクル回転するなど、ルアーとして最低レベルの基準に満たないものもフツーに売られてたりするのでその辺は注意が必要です。まぁ極端に出来の悪いものでなければ多少の「いじり」でじゅうぶん実釣可能なのでみかけのマヌケさ、B級度など、お好みで選べばいいでしょう。


<単純だけどマニアックに凝れるタイ製ペラルアー

「バイトを得る」ということだけでいえば、いかなるペラルアーでも、それこそボディーが傾こうが回転していようが、ペラさえ回っていれば、そしてその場所にシャドーが生息さえしていれば、とりあえずバイトはとれるでしょう。でもそこは趣味として、仕事として、また楽しみとしての釣り。よりよく釣るための効率アップを考えるのが人情というものです。(注:タイ人は除く。彼らは世界でもっとも「効率性」を重視しない民族です笑)

そこで下にキャストからランディングまで、シャドー釣りの各場面ごとでの、使い勝手の良いペラルアーの選択やチューニングの一例を紹介します。

キャスト・・・・・・・ ボディーは重量のあるものを選ぶ
これは単に投げやすさ重視です。強風時などアピール面からプロペラのサイズアップをしたりするとキャスト時のペラの空気抵抗は、とくに軽量ボディーだとけっこうな負担となります。
バズベイト同様、着水後即巻きノンストップなので浮く必要はありませんし、着水地点から即ペラ回転、は絶対必須ですが、沈むルアーの「立ち上がり」は着水時のタックルさばきでどうとでも対応できます。
またラバースカートを多めに付けると着水時の沈下速度を調整できます。



リトリーブ・・・・・ プロペラは状況にあわせて交換する
タイでは多種多様なサイズ、形のペラ単体(シャフト、スプリットリング付)が安価で売られているので、好みによって状況によって付け替えるのもOKです。またペンシルやポッパー、フロッグにまで、いろんなタイプの手持ちルアーに付ければ、オリジナルペラルアーのできあがり!実はこういったオリジナルのほうがバランスの悪い既製品よりむしろ使えたりするのですが、そこはご愛嬌。せっかくタイで釣りをするのですからぜひタイで買ったルアーにタイ雷魚の歯形をびっしりつけましょう!

ここでもラバースカートは活躍!
後部フックアイにラバーをつけるとリトリーブ時のボディが安定します。



フッキング・・・・・ ボディーは小さめのものを選ぶ
上のキャスト性能とのかねあいが少々困りますが、シャドーは日本の雷魚、またタイの他のスネークヘッド種とも違い、噛み付き型バイトの傾向が極めて強い魚です。
バイト時、噛み付いた位置にちょうどフックポイントがあるか、うまくルアーボディが瞬間的にすべり、噛み付いたままの口腔がフックポイントに届くかしないと、違和感を感じたシャドーはルアーをすぐに離してしまいます。この瞬間的なボディーのすべりをバイトと同時に意識的にやろうとするとどうしても「びっくり早アワセ」になってしまい、すっぽ抜けばかりになったり、また唯一可能な能動的アワセである落ち着いた「巻き合わせ」も、突然訪れるあの捕食音をきくと相当シャドー釣りに慣れていてもけっこう難しいものです。
そこで簡単に、かつ確実にフッキング率をアップさせるのが、バイトと同時に勝手にひっかかったフックポイントを、魚の重みを確認してからの強い追いアワセで、セットするというやり方になるのですが、それにはいかにフックの近くに噛み付かせるかが大事になってきます。ラバースカートなどで後部のボリュームアップを図るのはもちろんですが、小さいルアーだとどの位置に噛み付いても確実にフックポイントまでの距離は短いという、ごく単純な理屈です。そしてシェイプは頭部に噛み付かれてもできるだけスムーズにフックポイントまで滑りやすい流線型の尻すぼみ型。これがベストです。
ただし、あまりにボディーのボリューム、アピールがないとせっかくペラのスプラッシュに興味を持って追ってきたシャドーもルアーを見切りますし、最悪ペラの回転力に負けてボディーまで回ってしまいます。また高活性のランカーが勢いあまってペラまでバックン、というのも当然ありえますので小さくても5センチまでのボディーに1/0サイズのフックが適度でしょう。

トリプルフック2基装備のミノータイプ・ペラを使う時
産卵シーズン、ワンドの奥などの営巣エリアで増える、プリ魚のじゃれつき、はじきとばすような威嚇バイトが連発するときなどに有効です。あとリアクション的横っ飛びバイトのフッキングにも対応しますので、雨季後期のダム湖など低活性フル満水シーズンにはウィードも少なくストレスなく使えることもあり便利です。



ランディング・・・・・ フックアイのアソビを調整する
こればバズベイトにもっとも差をつける優位点ですが、ペラルアーはプロペラ、ボディー、フックすべてが2箇所の連結部でジョイントされているため、バレが少なく、魚のパワーも分散されて強度面でも不安がないというすぐれた特徴をもっています。
シャドー釣りでのバラシの原因NO1は、ネットイン時に魚を浮かせハネさせてしまうという「手法」的な問題ですが、バラシを減らすためのルアーいじりとして考えられるのは信用できるフックに交換することと、あとはフックとボディの連結部の「あそび」を調整することくらいでしょうか。このアソビがあまりゆるいとリトリーブ中のウィード絡みが増えたり、バイト時には衝撃でフックが跳ねてノリが悪くなったりします。逆にあまりきついとファイト中、首振りでバレる率が増えます。
そこでリトリーブ中、バイト時はフックが落ち着いていて、ファイト時は魚の首振りにあわせスムーズに動く、フックアイの適度なしまりぐあいを浮きゴムなどを挿入して調整してください。
余談ですがタイのエサ釣り界では中通しウキが圧倒的シェアを占めていて浮きゴムがめったに売ってないので、最近自分はラバースカートの量であそびを調整してます。

最後に
ランカーとのフィト中、不運にも枯れオダ、ブッシュなどにからまれ、おまけに固定されてしまったシャドーがよくみせるスパイラル回転ファイトをやられ、不自然なひねりパワーがフックにかかったときにおこりやすいのがダブルフックの「ひらき」です。
これを未然に防ぐためにフックには針金、PEなどを巻いておくことをオススメします。自分は小さいルアーでのキャスト距離を稼ぐのも兼ねて糸オモリ(ハンダ線)をまいています。



タイ製ペラルアーの上手な使い方>


そんなモンただ投げて巻くだけじゃねーか!とモニターの向こうで叫んだあなた、
そのとおりです!

「サヌック」、「サバーイ」、「サドゥアック」、タイ語でそれぞれ、「楽しい」、「快適」、「便利」という意味ですが、これらの言葉を人生の最重要課題として生きるタイ民族がつくりあげたのが、ペラルアー投げちぎり釣法。偶然か必然か、使い手の国民性だけではなく対象魚の習性にまでピッタリマッチしてしまったこの釣り方ですが、ただひとつ、使い手を選ぶというかなんというか、ペラルアー、そしてタイ人に「してやられた〜」と思うことが少なからずあります。それは徹底して投げちぎること。バイトがあろうがなかろうが、気にせず臆せず思考せず、ただひたすらペラルアー投げちぎりのタイ人が一発ドカンとデカシャドーを釣るシーンを何度苦渋の思いでながめたことか・・・。ルアーをとっかえひっかえ首をひねっていた自分がアホになった瞬間です。


思考してこそのゲーム、そこに釣りの楽しみがあるんじゃねーか!とモニターの向こうで叫んだあなた、
そのとおりです!ぼくもそう思います。
しかし、とりあえずは、せっかくタイで釣りをする機会があるならば、「郷に入れば〜」でペラを投げちぎってみましょう!きっとこのノー天気な「微笑みの国」、そしてそこに住む人々をも深く知る手がかりになるでしょう。

タイ人を深く知ってなんかいいことあんのか!?とモニターの向こうで叫んだあなた、
・・・・・・・・・ないかも(笑)

でもペラルアー、釣れます。これはホントですヨ!




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